正しいデンタルケアを

犬のデンタルケアの啓蒙が進む一方で「誤ったデンタルケア」は静まる気配がありません。

これは「正しいデンタルケア」の知識がない販売側の責任でもあります。
結果として誤ったデンタルケアで苦しむのは愛犬です。
Instagramでもポストしていますが再度ブログの形で残しておきたいと思います。

犬は虫歯にはなりにくいですが、歯周病にはなりやすい動物です。
これは口腔内のpHがアルカリ性なため、歯垢が歯石化しやすいためです。
歯石により歯垢がつきやすくなりますし、菌が住みやすい環境となります。
犬の歯垢は3日で歯石化するといわれています。
歯垢は「菌の塊です」。

さらに歯周病は放置すると全身疾患につながります。
腎臓、心臓、肝臓などもにダメージを与えます。

食べるものを気にするのも大事ですが、日常のケアも忘れずにしてあげましょう。

【正しいデンタルケア】
『歯ブラシでのケア』
これが一番です。ただし一番難易度も高い方法です。
ブラッシングにより歯垢を除去し、歯石化を防ぎ、歯周病を予防します。

物理的に歯垢を除去することがデンタルケアで一番重要です。
ブラッシングにより歯周ポケットの歯垢も除去します。

我が家は夜の散歩後の足洗の際に歯磨きをする習慣にしています。





『ガーゼやふき取りクロスでのケア』

歯ブラシより難易度が低く、歯ブラシでのブラッシングに慣れるための導入でもあります。
ふき取ることにより物理的に歯垢を除去します。
ただし、歯周ポケットの歯垢の除去は難しいといえます。

『デンタルケアグッズでのケア』
一番難易度の低いデンタルケアです。
いわゆる「噛む」ことで歯垢を物理的に除去します。
グリニーズなどのデンタルケアガムなどは1日1本寝る前にというような形で習慣化しやすく、

愛犬にとってもストレスがないケアになります。
ただし、噛まないと意味がありません。できれば動画のように手にもって与えるのが理想です。





しかし、ここに多くの危険なでデンタルケア商品が潜んでいます。
それは硬すぎる商品です。
ひづめ、角、骨、硬いままのヒマラヤチーズ、プラスチック製のデンタルケアグッズ etc..
普通に売られています。デンタルケアグッズコーナーに売っています。

実は犬の歯のエナメル質は人よりも薄いのです。そして、しかも尖っています。
硬すぎるデンタルケアグッズにより、

破折、破折による歯髄の露出による細菌感染、咬耗など愛犬にとってのデメリットは計り知れません。

与えて大丈夫な商品の一つの目安は
しなやかに曲がり、はさみで切れるものです。

ちなみにここ最近はSDGsという名の元、ジビエの角や骨を売られたりしていますが
愛犬の「歯」の健康を考えたら与えることはできません。

狼は「骨」を食べていたじゃないか!という方多いですけど、
決して大丈夫なわけではないし、狼の平均寿命をご存じなのでしょうか。
野生動物にとって歯を失うことは「死」を意味します。

そもそも骨よりも安全でかつデンタルケアができるグッズがありながら、
骨がまさるメリットはなんでしょうか。
カルシウムの補給?今は栄養バランスのよいフードばかりです。


犬は人から与えられたものしか口にすることはできません。
愛犬を守るのはオーナー様だけです。

正しい知識をもって愛犬を守ってあげましょう。


なお私は、「無麻酔の」歯石除去も反対です。
歯科専門医の獣医師の判断で、獣医師が行う場合はその限りではありません。

犬は歯石除去されるなどと理解できません。


トラウマになる可能性もあり、ますます口周りを触れなくなる可能性もあります。

さらに、「表面」上の歯石だけをとっても意味がありません。
歯周ポケット」も掃除し、「歯の表面」の凸凹もきれいにする必要があり、
麻酔下の元、適切に歯石を除去すべきと考えます。

さらに犬への歯石除去は「獣医療行為」であり、獣医師以外が行うものは違法です

↑ここはとても大事なところです。

もちろん、人の歯科衛生士も例外ではなく、獣医師ではないので犬に施術するのは違法です。



全身麻酔をさせるのがかわいそうというのであれば、

毎日(少なくとも3日に1回)適切なデンタルケアを実施してあげましょう。